キミと生きた時間【完】


「中学でいじめられたこと、今も鮮明に覚えてるの」


樹里はポツリポツリと過去の出来事を話し始めた。



女子数人が集まってヒソヒソとこちらに目配せしながら自分の話をしている光景。


修学旅行やグループ活動ではどこのグループにも入れてもらえず、先生が困った様子で言う。


『誰か、荒木さんをグループにいれてあげてください』


あまりの惨めさに顔の筋肉がひきつって、硬直する。


うつむき加減で、膝の上にある拳を痛いくらいに握りしめる。


『みんなー、ちゃんと聞いてー!荒木さんを入れてあげられる人、いないの~?いないなら、くじ引きにしますよ?』


『えーー、やだぁ』


『くじ引きだって。最悪』


『荒木のせいだし~!』


先生の一言でクラス中から不平不満の声が漏れる。
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