キミと生きた時間【完】


……――


「その日から、あたしにはケイジっていうたった一人の仲間ができたの」


話し終えた樹里は当時のことを思い出したのか、空を見上げながら柔らかい表情を浮かべた。


「今は仲間じゃなくて彼氏なんだけどね」


「えっ?樹里、彼氏いたの!?」


「うん。ケイジとは卒業してからすぐに付き合い始めたから、もう2年の付き合いになるの」


「そうなんだぁ……。すごいなぁ。あたしなんてまだ誰とも付き合ったことないのに」


「里桜は可愛いし、出会いさえあればすぐに彼氏できるよ」


「うーん……。どうかなぁ。だけど、あたし……好きな人がいるんだよね」


「はっ?嘘!!誰?この学校?」


「ううん。この学校じゃなくて……――」


あたしは樹里に宇宙君との出会いから今までの話を伝えた。
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