キミと生きた時間【完】
「そっか……。って、話し込んでてお弁当食べてなかったね」
しんみりした雰囲気を壊す様に樹里がそう言った瞬間。
≪2-C 荒木樹里さん。繰り返します。2-cの荒木樹里さん。至急、職員室まできてください≫
くぐもった音の校内放送が耳に届いた。
「あっ、あたしだ。何だろう」
怪訝そうな樹里は渋々立ち上がると、両手をパチッと合わせて謝った。
「ごめん!お弁当、先に食べてて?」
「了解!」
「食べ終わったら先に教室に戻っててくれる?」
「ううん、大丈夫。樹里が戻ってくるまで待ってるよ」
「分かった。ありがとう!!急いで行ってくるから」
樹里は笑顔でぶんぶんと手を振って屋上を後にした。