キミと生きた時間【完】
「焦げ焦げの卵焼きに、足のちぎれたウインナーに、それからなに?それって、まさか唐揚げ?汚すぎ。まるで、アンタみたい」
頭の中で危険を知らせる警告音が鳴り響く。
「この間さ、アンタのお母さん言ってたよね。いつも里桜と仲良くしてくれてありがとうって。アンタ、家ではあたし達とうまくやってるとか話してんの?」
「……――っ」
「何その反応。マジなの?アンタ、妄想癖でもあんの~?キモすぎ」
返す言葉が見つからず黙り込むしかできない。
だって、美奈子の言うとおりだから。
お母さんを心配させまいと、学校にはたくさん友達がいて、いつも笑顔が溢れる楽しい学校生活を送っていると話しているから。
もちろん、お母さんはそうだと信じて疑わない。