キミと生きた時間【完】
「ごめん。今日は寄るところがあるの……」
「そっか。一緒にクレープでも食べに行こうかなって思ったんだけど。今朝、お兄ちゃんにタダ券2枚もらっちゃって……――」
「……――もういくね?」
ちらっと美奈子たちの方を伺うと、美奈子達が露骨にいらだっているのがわかった。
このままじゃ、また樹里に何かしないとも限らない。
あたしはカバンを掴んで、慌てて肩にかけた。
「……――何か隠してる?」
すると、樹里はあたしの腕をパッと掴んでそう尋ねた。