キミと生きた時間【完】
「……――里桜、偶然だね」
「どうして……」
言葉がポロリとこぼれる。
宇宙君は不思議そうな顔であたしと美奈子を交互に見つめた。
「こんにちは。あたし、里桜と同じクラスの美奈子っていいます」
鼻につく香水の甘ったるい匂いに思わず顔をしかめる。
「あぁ、どーも。里桜と同じクラスの子なんだ?」
もしかしたら、宇宙君は勘違いしたのかもしれない。
美奈子が新しくできたあたしの友達だと。
何も知らない宇宙君は美奈子に微笑む。
「そうなんです~!!前に里桜と一緒にいるところを見て、紹介してって頼んでて」
「……――紹介?」
「あのっ、あたし……実は前からあなたのこと知ってて……里桜が紹介してくれるって言ってたから今日来ちゃったんですけど、迷惑でしたかぁ~?」
胸の前で指を絡めて恥ずかしそうに言う美奈子に開いた口がふさがらない。