キミと生きた時間【完】

「……――今、彼女います～？」


美奈子の言葉に思わず首を傾げる。


美奈子は何が言いたいんだろう……。


不思議に思いながらも宇宙君に視線を向ける。


「いない」


真っ直ぐ美奈子の目を見ながらハッキリと答えた宇宙君にホッと胸をなで下ろす。


だけど、その直後待ってましたとばかりに美奈子がこう切り出した。


「じゃあ、荒木樹里さん、知ってます？うちの学校にいるんですけど」


「……――荒木樹里？」


「知ってますよね？」


どうして今、樹里の名前が出てくるんだろう。


また美奈子が何か企んでいるのかもしれない。