キミと生きた時間【完】
目の奥がカッと熱くなり、目の淵に薄らと涙が浮かぶ。
こらえなきゃと何とか耐えようと思っても、意に反して涙がポロリと頬をつたう。
もう宇宙君はいない。
それなのに、まだ、宇宙君の温もりを体が覚えている。
こんなことになるのならば、あの時、出会わなければよかった……?
自分自身に問いかけても、何の答えも出ない。
目をつぶると、思い出すのは宇宙君との楽しい出来事ばかり。
騙されていた。
そう悟ってもまだ、宇宙君を嫌いになれない自分に嫌気がさす。
あたしは、
ようやくできた大切な友達の彼氏を……――
好きになってしまっていたんだね……――。