キミと生きた時間【完】

あたしはバッグの中から取り出したお弁当箱の包みをお母さんに突き出した。


「開けてよ。……――早く!!」


「え?何かしら……」


お母さんは不思議そうな顔をしながらお弁当箱を受け取り、ふたを開ける。


ぐちゃぐちゃになり砂の混じったおかずやご飯。


お母さんは目を見開いてハッと息をのんだ。


困惑と動揺が入りまじったような表情。


「り、里桜ったら、おっちょこちょいね……。お弁当箱、どこかでひっくり返しちゃったんでしょ……?」


「え……?」


「大丈夫。お母さんも昔、ひっくり返しちゃったことがあるから。少し機嫌が悪いのも、お腹が空いてるから?お昼、何も食べてないのよね?お母さん何か作るわね」


お弁当の入った包みを胸に抱きしめながら早口でまくしたてるようにいうお母さん。


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