キミと生きた時間【完】

『お母さんって裁縫やったことないのぉ?』


小学校の時、体操着のゼッケンをつけていたお母さん。


縫い目はガタガタだし、お世辞にも上手とはいえない出来だった。


縫っては糸をほどき、糸をほどいては縫う。


『お母さんね、昔から不器用なの。だけど、お母さん嬉しいの。里桜のゼッケンを縫えるんだもん』


何度繰り返しても一向にうまくできないお母さんにあたしがそう尋ねると、お母さんは嬉しそうに微笑んだ。




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