キミと生きた時間【完】
あたしはギュッとつぶっていた目を開けて、お母さんを真っ直ぐ見つめた。
「……――明日も作って」
「え?」
「お弁当、明日も作って。大変なら、あたしも手伝う。だから、お願い。また作ってよ。もう作らないなんて言わないでよ……」
ボロボロと涙が溢れて、その涙を必死で拭う。
「お弁当……いつもあたしの好きな物が入ってた。毎朝5時に起きて、あたしの為を想って作ってくれて……ありがとう。お母さんのお弁当食べると……少しパワーが出たの。一人で食べてても、お母さんが一緒のような気がしたの」
「里桜……」
「お父さん、お母さん……ありがとう……。それと、こんな娘でごめんなさい」
震える唇で何とか言葉をつむぐ。