キミと生きた時間【完】
「……――めて」
「は?」
「宇宙君のこと悪く言うのやめてよ!!」
バンッと机を両手で叩くと、教室中がシーンっと静まり返る。
周りの視線が一斉にこちらに向けられる。
「ハァ!?何?あたしに文句あるの!?」
「あたしのことはなんて言われてもいいよ。だけど、宇宙君のことを悪く言うのはやめて!!」
「ハァ?マジウザい!!」
顔を真っ赤にした美奈子があたしに掴みかかろうとした時、タイミングよく古典の先生が教室に入ってきた。
「チッ!」
盛大に舌打ちをして自分の席に戻っていく美奈子。
あたしは自分自身に驚いていた。
美奈子に対してああいう態度にでたのは今日が初めてだった。
大声で言い返したのも……初めて……。
宇宙君のこととなると見境のなくなる自分自身に呆れながらも、ほんの少しだけ言い返せた自分が誇らしかった。