キミと生きた時間【完】

ねぇ、宇宙君。


宇宙(そら)っていう名前、宇宙君らしい素敵な名前だね……。


「でも、なんであいつのことなんて聞きに来たの?竜ヶ崎ってもうこの学校の生徒じゃないんだろ?」


男の子の放った言葉に、ドクンッと心臓が嫌な音を立てる。


「やっぱり、やめたの?あいつって、高1の冬から学校に来てないよな?」


「そうそう。病気なんだろ?学年トップなのにもったいないよなぁ」


「病気……?」


男の子たちの会話がうまく聞き取れない。


頭が真っ白になって呼吸が乱れる。


『宇宙くんには、持病があるんだよ……。里桜、知ってた?』


困ったような表情を浮かべる、樹里。


恐れていたことが現実になる。
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