キミと生きた時間【完】
だけど、何でだろう。
宇宙君と初めて会ったあの日、宇宙君が何か大きなものを背負っていると肌で感じ取った。
それに、宇宙君と仲良くなっていくにつれてその思いは少しずつ膨らんでいった。
宇宙君が自分のことを話そうとしないのも、
放課後、いつだって私服姿なのも、
どんなに急いで教室を飛び出しても神社に一番乗りできないのも、
宇宙君とあたしとの距離が近づきそうになれば、遠ざけようとするのも、
昨日神社であたしを突き放そうとしたのも……――。
何か理由があるんだろうと薄々感じていた。
「……――すみません。ありがとうございました」
男の子たちにぺこりと頭を下げてお礼を言い、城内高校に背中を向ける。
そして、そのままあたしは神社を目指して歩き出した。