キミと生きた時間【完】
宇宙とする初めてのキスは少しだけ涙の味がしてしょっぱかった。
「……んっ……」
お互いがお互いの存在を確認するように何度も何度もキスをする。
息が続かなくなって唇を離しても、まだしたりない。
キスをしながら涙を流すあたし達は、はたから見たらおかしいかもしれない。
だけど、あたし達はそれできっと心のバランスを取っていた。
風が冷たい。
もう秋が近い。
「来年の秋も、里桜と一緒にいられんのかな……」
唇を離した後、ポツリと独り言のように呟いた宇宙。
その言葉に胸が締め付けられた。
――10月15日。
ねぇ、宇宙。
また来年もこうやって一緒にいられたら……
絶対にこの神社に来ようね……?