キミと生きた時間【完】
「俺、写真苦手なんだけど」
「そんなこといわずに。宇宙は元がいいんだから、どんな顔でもかっこよく映るから!!」
「いいって。違うの撮れよ。風景とか」
「嫌。一枚目は宇宙を撮るって決めてたんだもん」
「ったく。なら二人で撮ろう」
「えっ!?いいの!?」
「一人よりはまだ二人の方がいい」
「まだってなによ~!!」
頬を膨らませると、宇宙は指であたしの頬を押す。
「プ~……」
途端にしぼむあたしの頬。
「今の音、やべー」
「ていうか、宇宙が押したからじゃん!!」
「俺のせいに住んなよ」
露骨に不満そうな宇宙を無視して、あたしはカメラの端を握り思いっきり手を伸ばす。