キミと生きた時間【完】
「この位置でいけるかなぁ」
手を左右に動かして場所を決める。
「そんなの心配するくらいなら、セルフタイマー使えばいいだろ」
「えー、嫌だよぉ。二人で顔を密着させて撮るのがいいのっ」
「俺にはよくわかんねぇわ」
「あっ、この位置はどう?はーい、とるよー」
「里桜、俺の話全然聞いてないだろ?」
「いくよー、ハイチーズ!!」
左手の人差し指でシャッターを押す。
「どうかなぁ、うまくとれたかなぁ」
ワクワクした気持ちで撮ったばかりの写真を確認して、あたしは思わず「あっ!!」と声を上げた。