キミと生きた時間【完】
「宇宙って昔から女の子にモテモテだったけど、俺が知る限り特定の彼女ってつくらなかったから」
「そうなんだ……」
あまり触れたことのない宇宙の過去を知っているケイジ君の話についつい釘付けになる。
「確かに宇宙くんは女の子にモテたよね。バレンタインの日なんて、女子がひっきりなしに宇宙くんにチョコを渡しに来てたもん」
「しかも、誰からも受け取らなかったっていうのが宇宙らしいよなぁ」
「……そうなの?」
「一度、理由を聞いたことがあったんだけどさ。宇宙、言うんだよ。気持ちに答えられないからって。ああみえて、案外真面目なんだよ」
白黒はっきりしているのが宇宙のいいところ。
中学時代の宇宙の姿が目に浮かぶようだ。