キミと生きた時間【完】

「俺は宇宙と小学生からの付き合いなんだ。宇宙、元々は九州に住んでたんだ。こっちに引っ越してきたのは宇宙の両親が事故で亡くなってから。その話、聞いた?」


「ううん、聞いてない」


「そっか。引っ越してきた当初は、宇宙はほとんど誰ともしゃべらなかったんだ。今思えば、両親の事故を相当ひきずってたんだと思う。半年ぐらい経った時かな……――、俺、クラスの奴らに囲まれて一番触れられたくないことをネタにバカにされたんだ」


『お前、親いないんだろ~?そのおでこの傷も、父ちゃんにやられたってマジ?』


『ハァ~、マジで?つーか、家がないってマジ?』


『俺、知ってる!!こいつ、家がないから施設ってところで生活してるんだってうちの母ちゃんが言ってた』


「何も知らないくせに好き勝手なことばっかり言うクラスメイト達に怒りがわいて、今すぐ張り倒してぶん殴ってやりたかったのに、俺、できなかったんだ。それが全部本当だったから」


ケイジ君は困ったように眉を下げた後、再び話し始めた。




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