キミと生きた時間【完】
その時、ピンッときた。
何か隠してる……。
宇宙君は何かを必死で自分の中にため込んで、それを押しとどめようとしている気がした。
口には出さなくてもそれが空気を通して伝わってくる。
ねぇ、宇宙君。
あたし、何か力になれないかな?
助けてくれって言われたわけでもないし、力を貸してくれって頼まれたわけでもない。
だけどね、あたしの直感って結構当たるんだよ?
宇宙君は、胸に何かを秘めている。
あたし、ほんの少しでも宇宙君の役に立ちたいよ。
あたしは宇宙君に話を聞いてもらえて、心がほんの少しだけ軽くなったの。
だから、あたしも宇宙君の心を少しでも軽くするお手伝いができないかな……?
「明日、またここに来てもいい?」
「好きにしろ。じゃあな」
宇宙君はあたしに背中を向けたまま、小さく右手を挙げて歩き出した。