キミと生きた時間【完】
「……――救急隊です!!道を開けて!!」
ハッとして顔を上げると、すぐ近くに上下灰色の服を着ている二人の救急隊がタンカを持って現れた。
「お願いします!!宇宙を助けてください!!」
あたしはすがる思いで、救急隊のおじさんに涙ながらに頼んだ。
「最善は尽くすつもりだ。悪いけど、少し離れていて」
おじさんが宇宙の手首をとり脈の確認をしている横であたしはただ両手を握りしめて祈ることしかできなかった。
ただ、宇宙の体が心配で。
「お願い……宇宙を助けて……」
顔中の筋肉がおかしくなってしまったみたいに、唇の震えが止まらない。
ガチガチと上下の歯がぶつかり合って、抑えることができない。