キミと生きた時間【完】
13 溢れる想い
救急車で運ばれた先は、宇宙が通院していた総合病院だった。
宇宙はタンカに乗り、そのまま手術室へ向かった。
あたしは手術中というランプのついた部屋の前にある長椅子に座り、宇宙の無事を願い続けていた。
「……――あなたが、里桜さん?」
その時、目の前に現れた見知らぬおばあさんに声を掛けられた。
見覚えはないのに、温かくて柔らかい表情が誰かに似ている気がして。
ぼんやりとおばあさんを見つめると、おばあさんは「宇宙の祖母です」と言って小さく頭を下げた。