キミと生きた時間【完】

「宇宙が今日倒れたのは、あなたのせいじゃないわ」


「でも、あたしが……――」


「私は宇宙の両親が亡くなってから、ずっと親代わりになってあの子を育ててきたの。知ってるかしら……?」


「はい……」


「あの子ね、相当頑固なのよ」


おばあさんは柔らかい表情を浮かべたまま話を続ける。


「昨日、術前検査を受けた時、私も病院にいたのよ。宇宙、嬉しそうにしていたわ。里桜ちゃんと一緒に病院に来たって」


おばあさんは複雑そうな表情を浮かべながらも、昨日の話をしてくれた。
< 307 / 326 >

この作品をシェア

pagetop