キミと生きた時間【完】

宇宙君はあたしと同じ高校2年生。


クラスは2年A組。


血液型はO型。


2週間で聞き出せた宇宙君の情報はこれだけ。


宇宙君は自分のことをほとんど話そうとしない。


もちろん、いまだに本当の名前も教えもらっていない。


聞こうとしてもいつもはぐらかして、あたしとの間に見えない壁を作ろうとしている。


二人の距離が近づくのを宇宙君は明らかに避けている。


だけど、今の関係を絶対に壊したくなかったあたしは黙って我慢するしかなかった。



「つーか、最近学校どうなんだよ」


「うーん……。微妙なところ」


「微妙って?」


「今日は革靴が無くなっちゃって。ほらっ、この通り」


宇宙君はあたしの足元を見て、ハァと小さなため息を吐いた。


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