キミと生きた時間【完】
14 ゆるぎない愛

「う~、寒いぃぃ」


神社の階段に腰を下ろすと、お尻がひんやりして思わず身震いした。


あれから3か月。


2月10日。


すっかり辺りは冬めいて、一年で一番寒い季節に突入した。


手のひらを擦り合わせながらコートの中に入れておいたデジカメをそっと取り出す。


宇宙が倒れたあの日、デジカメは宇宙のポケットの中にあった。


おばあさんに返してもらったあとも、あたしはデジカメを肌身離さず持ち歩いた。


このデジカメは……宇宙との思い出がたくさんつまっているから。


少し前、あまりにもさびしくなって宇宙との写真を見ているとき、デジカメのある機能に気が付いた。


『動画なんて撮ったっけ……?』


一度も使ったことがない動画のフォルダに、ファイルがあった。


それを開くと、そこには照れくさそうな宇宙がいた。
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