キミと生きた時間【完】
『今思えば、初めて会った時から里桜に惹かれていたんだと思う。俺は里桜に出会えて最高に幸せだったけど、里桜はどうなんだろうな……。俺、泣かせてばっかりだもんな……』
そんなことないよ。
あたし、宇宙と出会えて世界一の幸せ者だよ。
『付き合ってからも、俺のせいでどこへも連れて行ってあげらんねぇし。本当は遊園地にいきたかったんだよな?里桜が俺に気を遣ってるの知ってたのに、何もしてやれなくてごめん』
違う。あたしは……遊園地なんてどうでもよかったの。
宇宙が一緒にいてくれるなら。
ただ、それだけでよかったの……――。
『本当、何もしてやれなくてごめん。何もあげられなくてごめん』
『俺ばっかり、里桜にもらってごめんな』
違うでしょ……?
あたしは何もあげてない。
宇宙があたしにくれたんだよ……?
たくさんの愛を、希望を、優しさを、温かさを、ぬくもりを。
全部全部、宇宙が教えてくれた。