キミと生きた時間【完】
『この動画見てるってことは……俺の手術、失敗だったか?それとも、直前で倒れた?どっちにしても……あんまりいい状態じゃないかもな』
困ったように目を伏せる宇宙。
『ダラダラ長くなったけど、最後に一言だけ』
宇宙はそう前置きをしてカメラに視線を向けた。
『……――里桜、ありがとう。マジで大好きだ。ずっと、愛してるから』
ほんの少し目を細めて柔らかい笑みを浮かべる宇宙。
あたしの一番大好きな笑顔の後、動画はプツリと途絶えた。
宇宙が倒れる直前に撮った動画。
あたしはもう何百回、それこそ何千回と見た。
その度に、宇宙への狂おしいまでの気持ちを抱えながら涙を流す日々だった。