キミと生きた時間【完】
宇宙はあの後、運ばれた総合病院では手当することはできず、ドクターヘリに乗って日本でも有数の大学病院に運ばれて治療を受かることになった。
緊急手術が施され、術前、おばあさんは執刀医にこう忠告された。
『非常に厳しい手術となります』
深刻そうな様子の先生におばあさんは頭を下げた。
『どうか、宇宙をお願いします』と。
「ハァァ、本当に寒すぎる……」
かじかむ指先にハァっと息を吹きかけて温めてみる。
だけど、すぐに指先はひんやりと冷たくなる。