キミと生きた時間【完】

その時、神社の鳥居をくぐりこちらに歩み寄る人影に気が付いた。


その人影は一歩一歩とこちらに歩みを進める。


あたしはデジカメをそっと階段に置いて立ち上がる。


喉の奥に熱い感情が込み上げる。


自然と肩が震えて顔がゆがむ。


「……――ただいま、里桜」


あたしの目の前で柔らかい笑みを浮かべたのは……――


少し照れくさそうな宇宙だった。
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