キミと生きた時間【完】
「た、単純って、失礼な!!」
「そうやってすぐに言い返してくるところが単純な証拠だろ」
思わず膨れながらそう反論すると、彼はそんなあたしを見つめて口元にわずかな笑みを浮かべた。
えっ……。
その時、ようやく目の前いる男の子の顔が恐ろしいほどに整っていることに気が付く。
今までこんなに綺麗な男の子を見たことがない。
美少年っていう言葉はきっと彼の為にある。
ハッキリした目鼻立ち。主張しすぎない唇。
まつげはきっとあたしより長いし、肌だって何か塗っていると勘違いしてしまいそうなほど綺麗。
この人、相当モテるはず。
「なんだよ」
「へ?」
「穴が開きそうなんだけど。何?」
「あぁ、ご、ごめんね!!何でもない!!」
へへっと笑いながらごまかすあたしを彼は怪訝そうに見つめる。