キミと生きた時間【完】
「う、嘘!!」
まさかと思い、手のひらを空にかざすと、確かにポツリポツリと雨が降ってきた。
まるで彼が天気を操っているみたいなタイミング。
そんな!!ありえない……。
「あ、あなた何?誰?まさか、宇宙人(うちゅうじん)……!?」
正直な気持ちだった。
だって、こんなにも顔が整っている人を今まで見たことがない。
180センチ近くあるであろう身長に細身の体。
だけど、まくり上げているYシャツの袖の部分から除く腕はやっぱり男の子。
指先は細くて繊細なのに、手の甲はゴツゴツとしていてたくましかった。
宇宙人ではないかもしれないけど、人間から突然変異した何かなのかも。
あたしの手足の震えをピタリと止めたり、天気を当てたり……。
……――やっぱり宇宙人なの!?
勝手に頭の中でおかしな想像を巡らせていると、彼はあっけらかんと答えた。