キミと生きた時間【完】

「あたし、本当に逃げてもいいのかな……?」


「あぁ」


もう我慢できない。


グッとこらえていたものが胸の奥底から湧き上がり、声を出して涙を流す。


そんなあたしの体をギュッと抱きしめながら、宇宙君はそっとあたしの頭を撫でてくれた。


「ずっと我慢してたんだろ?俺と一緒にいるときぐらい、我慢も遠慮もすんな。ここにいるのは、俺と里桜だけなんだから」


「うん……」
< 81 / 326 >

この作品をシェア

pagetop