キミと生きた時間【完】
椅子から投げ出された体はそのまま床にぶつかった。
しりもちをつく格好で落ちたため、お尻に鈍い痛みが走る。
「ちょっと!今、机にぶつかったでしょ!?謝ってよ!!」
「ご、ごめん!!」
後ろの席の子が苛立った顔で床に座り込むあたしを睨みつける。
「つーか、椅子ごとひっくり返るとかヤバくない~?」
「ありえないよね」
周りからヒソヒソと耳に届くひやかしの声に体中の血の気がサーッと引いていくのを感じる。
体は冷えているのに、顔だけが火照っているような不思議な感覚。
慌てて立ち上がろうとした時、
「嘘つき女」
美奈子はポツリと呟くと、机に置いてあったあたしのバッグを掴んで投げつけてきた。