キミと生きた時間【完】
さっきまで笑っていた荒木さんの顔からは笑みが消え、膝に置かれていた手が小刻みに震えていたから。
「笑いたかったら笑っていいよ」
その震えを必死で抑えようと手を重ね合わせる荒木さんはあたしの視線に気づいたのか、力なく笑った。
「笑わない!!」
「そんなムキにならないでよ」
「でも……」
「あたしがいじめられてたって話、前にしたよね?」
「うん……」
「中2から卒業するまで、あたしずっといじめられてたの」
荒木さんの告白にあたしは黙って耳を傾けた。