恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
5万…とはいわないけど、きっと何百人かの男の子にはもう出会ってる。
その中で……
「わざわざ…翔平じゃなくても良かったのに」
そうすれば、こんなに苦しい想いをしなくて済んだかもしれない。
結果失恋したとしても、他の子と同じように恋してキラキラ輝く時間を過ごせたかもしれないのに。
「"わざわざ"、じゃないだろ?」
「……?」
「恋なんて頭でするもんじゃなくて、ココでするもんだろ」
そう言って、理人は自分の胸に親指を向けた。
「この世に好きになったらいけない奴なんていないと思う」
何かを悟ったように言う理人は、どこか遠くを見ていた。