恋結び ~キミのいる世界に生まれて~

「まあ、あれだ。言ったもんは消せないし、気まずいのは分かるけど、母ちゃんの手前うまくやった方がいいと思う」


「………うん」


出来る自信はないけど、言われてる意味は分かるから。


「頼むな…」


理人は少し切なそうな顔を見せた。



理人はいつだってお母さんを思いやっている。


きっと、あたしよりも翔平よりも深く。


理人だけは、唯一お母さんと血の繋がりのある本当の親族なのだから。



これは普通じゃない。


理人に理解してもらえたのは、特別なことだって分かってる。


恋愛感情を翔平に抱くことが、お母さんを悲しませることだと理人ですら思ってるんだから……

< 105 / 615 >

この作品をシェア

pagetop