恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
翌朝、水沢家の食卓は久しぶりに明るさが戻っていた。
「はい!お父さんコーヒー」
暫く電源を入れていなかったコーヒーメーカーは朝からフル始動。
一週間も淹れてないと勘が鈍って、手順を間違えてしまった。
「あら、今日はまた随分と機嫌がいいのね」
お母さんは驚いたように言うけど、あたしはフフフンと鼻で笑って交わす。
「2人も座ってー」
やがて二階から降りてきた理人と翔平の席にもコーヒーを置く。
「お、美桜のコーヒーだ」
理人は少し唇をすぼめながら、インスタントじゃないコーヒーを嬉しそうにすすった。