恋結び ~キミのいる世界に生まれて~

16年前、まだ冷え込みの残る4月中旬の早朝。


ここに置かれている生まれて間もないあたしと翔平を発見したのは、この教会の牧師で、今のあたし達のお父さん。


お父さんとお母さんが結婚して9年目の春だった。


子供に恵まれなかった2人は、実親の手がかりの残されていなかったあたしと翔平を自分の子供とし、育てることを決意した。


あたしと翔平は同じクーハンに入れられていて、最初は双子だと思ったのだとか。


でも血液検査などを行った結果その可能性はないと判断された。


そもそも、あたし達は同じ親から置かれた可能性自体低いらしい。


翔平にだけは、メモ書きで誕生日と名前が残されていたから……。


あたしには、名前など手掛かりになるようなものは何もなく、誕生日と名前はお母さんが決めてくれた。


この家に降り立った日があたしの誕生日となり、発見時、散った桜の花びらがあたしの頬についてた…その姿が可愛らしかったという理由でついた"美桜"



あたしと翔平がどうして同じクーハンに入れられていたのかは謎のまま……。

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