恋結び ~キミのいる世界に生まれて~


これが禁忌だとしても、かまわない。


何もかも手放したって、目の前の温もりだけは離したくないと思った。



翔平の気持ちに応えるように、あたしも背中に手を添える。



ベンチからコーヒー転がり落ちたことも気づかないくらい。


あたし達は夢中で唇を重ね合わせていた。




三日月と十字架だけが、あたし達を見ていた――…
< 140 / 615 >

この作品をシェア

pagetop