恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
「悪い、俺が好きなのは美桜なんだけど」
そこへ、ずいっと一歩前へ出た翔平が真顔で宣言すると
「やあねえ、そんなの知ってるって。ごめんごめん、彼女"役"ね」
大事な所を付け忘れたと苦笑いする莉子だけど、二度目の翔平からの告白に全身から汗が吹き出した。
ちょ、ちょっと翔平…
改めて宣言されて、くすぐったさで体中がむず痒くなる。
お風呂上がりのサラサラした肌はもう台無しだ。
「なんだよソレっ…」
翔平も莉子にからかわれて真っ赤になってる。
「り、莉子、どういうこと?」
だけど、頭がハテナなのは継続中。
彼女"役"だとしても、どういうことなのかさっぱりわからない。
このままじゃ翔平が可哀想で、サラっと本題に戻したにあたしに莉子は平然と言った。