恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
平然と言った翔平に、はぁ…と隠れてため息を吐き出す。
「そう?そうじゃないって思ってる人もいるみたいだけど?」
それに気づいた莉子が、あたしをチラ見する。
「……っ」
「……まあ……あんた達が想いあってるってみんなの前で公言出来るなら何も言わないけど」
「………」
「………」
到底できっこない現実に、あたしも翔平も押し黙る。
世間的に兄妹で通っているあたしが想い合っているなんて、誰も夢にも思ってないだろうし、そんな事実さらけ出せるはずもない。
ましてや、生い立ちを暴露して兄妹じゃないと言うつもりもない。