恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
「……美桜も。いつまでも彩乃に彼女面されてていいの?」
今日も翔平の腕に手を絡ませていた彩乃ちゃん。
あたしなんかよりも何十倍も女子力の高い彩乃ちゃんにあんなアプローチされたら、翔平の心変わりだってあり得なくない。
そんなの。
「…いや」
自分でもびっくりするくらい、はっきり声に出していた。
今までは、翔平に群がる女の子をただうらやましいとしか思っていなかった。
だけど今は違う。
一瞬にして自分の立場が変わったとき、見えてた世界もすべて変わった。
今は………知っちゃったから。
…失う恐怖を。