恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
「翔平が美桜を不安にさせないって自信があるならそれでいいのよ。ただ、あたしが出来るのはこれくらいって思ったからさ」
そう言って口をキュッと結ぶ莉子は、決して押し付けがましいわけでもなく最後は翔平に委ねた。
「……じゃあ…そうしてくれよ…」
すると膝の上で握り締めたあたしの手の上に、翔平がそっと手を重ねた。
……え…。
「周りがどうしようが、俺の気持ちが揺らぐわけじゃない。だから美桜も不安になる必要なんてない。
けど、美桜自身がそれで不安なら……」
さっきの力強い言葉が翔平を突き動かしたのか、
「な、美桜、いいよな?」
「……う、うん……」
あたしの為に、翔平がこの提案を受けると言ってくれた。