恋結び ~キミのいる世界に生まれて~

大人だ、翔平は。


あたしだって実のところ会いたいというのは、子供を捨てるなんてどんな親なのか見てみたい、という反発心から生まれたものだと思うから。



「……今までは、そうだった…」


「……今…まで?」


言い切ったはずなのに、急に力を弱めた翔平にあたしは首をかしげる。


「最近、少しだけ考えるようになってきた」


言葉の通り、何かを考えるように一点を見つめた翔平は噛みしめるようにゆっくり言葉を紡いだ。


「守りたいものが出来たから。

……美桜を、一人の女として守りたい…って」


まるで、体に刻みこむように。

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