恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
「俺が生まれて来なければ、美桜にも会えなかっただろ?」
そして、穏やかな視線をあたしに投げた。
「……うん」
同感、だった。
改めて考えたことなんてなかったけど、あたし達がここに存在するのは、生みの親ありきの話で。
同じ時代に生を受け、共にこうして幸せを感じられるのも、全て、あたし達を生んでくれた人がいるから。
「そう思ったときに、初めて自分の存在理由を明確に出来た気がした。
俺は生まれてきて良かった人間なんだって。美桜に出会うために生まれてきたんだって…」
生まれてすぐに親の愛に見放されたと知ったあたし達は、どこかで自分の存在理由を問いかけて続けていた。
それは潜在的に。