恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
そう言うのは、ほんの少しだけ意地を張った16歳の素直な気持ち。
持てあますようにあたしの指先を絡めとるその指は、翔平の気持ちを更に真っ直ぐ伝えた。
「まあ…自分自身を知るためには必要だとは思うけど…」
「…自分自身?」
「遺伝子学的なこと。将来どんな病気のリスクがあるとか、ハゲるのかとか色々あるだろ?」
ハ、ハゲっ…!?
「プッ」
平然と言ってのけたそんな言葉に思わず吹き出しちゃう。
「あ、想像したな?」
「ううん。でも、それ分かる」