恋結び ~キミのいる世界に生まれて~

そう言うのは、ほんの少しだけ意地を張った16歳の素直な気持ち。


持てあますようにあたしの指先を絡めとるその指は、翔平の気持ちを更に真っ直ぐ伝えた。


「まあ…自分自身を知るためには必要だとは思うけど…」


「…自分自身?」


「遺伝子学的なこと。将来どんな病気のリスクがあるとか、ハゲるのかとか色々あるだろ?」


ハ、ハゲっ…!?


「プッ」


平然と言ってのけたそんな言葉に思わず吹き出しちゃう。


「あ、想像したな?」


「ううん。でも、それ分かる」

< 166 / 615 >

この作品をシェア

pagetop