恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
ハゲた翔平なんて想像したくないけど、親を見れば分かるっていうもんね。
そんな手がかりすら、あたし達にはない。
「ただ……幸せでいればいいな、とは思う」
笑いの後にポツリと言ったのは、口下手な翔平の目いっぱいの実親への感謝。
幸せな今だからこそ願える、顔も知らない実親の幸福。
指先から伝わる温もりが、翔平の優しさのすべてを象徴していた。
…どちらともなく目が合って。
「愛してる…」