恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
足取りが重くなってきたあたしの数歩先を行っていた翔平。
歩幅が緩んでたことに気づかなかったのか、距離が出来ていたあたしを見て目を見開いた。
その瞳から逃げるようにあたしは自販機に向かう。
「あ…あたしのど乾いたから、これ飲んでから帰るねっ…」
咄嗟にポケットからさっきのお釣りの小銭を取り出して、投入口にお金を入れた。
適当に押したポカリ。
ペットボトルのキャップを開けて勢いよく口をつけた。
「あれだけ飲んでまだ飲むのか?」
そう言って笑う翔平を無視して一心不乱にそれを喉へ流し込む。