恋結び ~キミのいる世界に生まれて~

あたし今、絶対挙動不審だよ。


だけど平常心を保てるわけなんかない。


心臓なんかバクバクして…ポカリが逆流しそう。


「……のど乾いてるんだもん…」


勢い余って口の横から零れたそれを腕でぬぐった。


ドリンクバーで散々ジュースを飲んだ。


本当はお腹なんてタプタプで、もう一滴も水分なんて取りたくないのに。


「じゃあ俺も」


「……え」


筋肉質な腕があたしの目の前を横切り、ポカリのボタンが再び押された。


ガッコン。


闇夜に響くその音は、まるであたしの鼓動みたい。




「俺と2人きりになるの、そんなに怖い……?」
< 189 / 615 >

この作品をシェア

pagetop