恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
あたし今、絶対挙動不審だよ。
だけど平常心を保てるわけなんかない。
心臓なんかバクバクして…ポカリが逆流しそう。
「……のど乾いてるんだもん…」
勢い余って口の横から零れたそれを腕でぬぐった。
ドリンクバーで散々ジュースを飲んだ。
本当はお腹なんてタプタプで、もう一滴も水分なんて取りたくないのに。
「じゃあ俺も」
「……え」
筋肉質な腕があたしの目の前を横切り、ポカリのボタンが再び押された。
ガッコン。
闇夜に響くその音は、まるであたしの鼓動みたい。
「俺と2人きりになるの、そんなに怖い……?」