恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
「あ、ごめん……」
せっかくお母さんが決めてくれた誕生日なのに、それを認めてないみたいな発言して。
空気を読まないあたしが悪かった。
「コーヒー、淹れるね」
その場を取り繕うようにあたしは立ち上がりキッチンへ向かった。
「主役がそんなことしなくてもいいのに」
お母さんもケーキを切りにキッチンへ立つ。
「ううん。コーヒーはあたしが淹れたいし」
お父さんも翔平も理人も、あたしが淹れたコーヒーは美味しい美味しいって言って飲んでくれるから。
砂糖1本入りがお父さん。
砂糖2本にミルク一つが甘党の理人。
ブラックが翔平。
それぞれ拘りがあってうるさいんだけど。
ちなみにお母さんはコーヒーが苦手。